エセンティアの坂井紀子です。
『ラッピング 敬意も包む』
新聞でそんな見出しが目に留まりました。
日本の包装技術がイランで注目されているという記事でした。
遠く離れた国で、日本の包装動画に出会った人たちは、
速い、シンプル、美しい
その包装技術と仕上がりに魅了され、ギフトショップ等で取り入れたところ、お客様からも大変喜ばれているというものでした。
イランの商店では品物の包装サービスというものはなく、レジ袋やお店のロゴ入り袋が主流とのこと。
老舗のギフトショップでも商品が入った箱にリボンを結ぶだけだとか。
日本の包装を見たイラン人は、『敬意』という言葉を口にするそうです。
驚いたことにイランで1980年代にドラマ『おしん』が放送され、人気から再放送もされたそうなのです!
そのドラマの中で、お金や品物を紙や風呂敷に包むシーンがあり、そこから日本人の謙虚さや敬意の表し方を学んだという人も。
イランは紀元前6〜4世紀の時代から、贈答文化があったということもあるそうで、『敬意』はイランと日本に共通する価値観であることから、日本の包装がイラン人の琴線に触れるのではないかということでした。
包むということは、心を包むことなのですね。
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この記事を読んで思い出したことがありました。
子供の頃、デパートのサービスカウンターのお姉さんが憧れだったことです。
品物を迷いなく、無駄のない手順で包装していく様子を見ているのがとても好きでした。
その手さばきの美しさに見惚れていました。
包装紙がきれいに折られ、品物がどんどん包まれていく。
そしてその仕上がりの美しさ!まるで魔法のように感じていました。
今考えてみると、それは着付と重なるところがあります。
仕上がりの美しさ、無駄のない手順、手さばき…ほぼ一緒です。
着付は品物ではなく、お客様に着物を纏わせていきます。
その方の良さを最大限に活かし、より綺麗に見えるよう着付ていきます。
私は着物は日本の心を表した作品だと思っています。
ですから着物を纏うことで、日本の心というものを、心が感じるのだと思います。
『包む』ことと『纏う』こと。
どちらも心を包んでいたのですね。