忙しい毎日の中で、
バッグを椅子に置く時。
本を閉じる時。
食器を片付ける時。
どんな風な扱いをしていますか?
意識もせずにバサっと物を置いたり、
ガチャガチャと音を立てて、
慌ただしく扱ったりしてしまうこと…ありませんか。
ほんの小さな動作ですが、
その扱い方には今の心の状態が表れるものです。
日本には古くから、
「物にも心が宿る」
という考え方があります。
着物の世界でも、
着物をしまう時は、膝をついて丁寧に畳み、
たとう紙に納めるというように、大切に扱います。
それは単なる片付けではなく、
楽しかった時間を振り返りながら、その一端を担ってくれた着物に意識を向ける時間でもあります。
手入れをしたり、丁寧に扱われた物は美しく保たれ、代々受け継がれていくものになっていきます。
そして、物を大切に扱う習慣や時間は、
心が穏やかに整い、自分自身を大切に扱うことにもつながっていきます。
気持ちに余裕がなく慌ただしい時ほど、
意識してみませんか?
例えば、少しだけ動作をゆっくりにしてみる。
カップをそっと持つ。
バッグを静かに置く。
ドアを優しく閉める。
たったそれだけで、
心の中の慌ただしさも少しずつ静まっていきます。
和の美しさとは、
特別な作法を身につけることではなく、
日常の小さな所作の積み重ねなのかもしれません。
物を丁寧に扱うこと。
それは、
今日の自分を丁寧に扱うことでもあるのです。