朝の支度がひと通り終わったあと、鏡の前でもうひとつだけ、と手に取るもの。
私にとってそれは、小さなイヤリングです。
服や髪を整えても、なんだか物足りない。
そんな朝に耳元へそっと光をひとつ添えると、顔まわりがふっと明るくなって、表情まで少しやわらぐような気がします。
不思議なのは、耳元は自分では直接見えない場所だということ。
鏡越しにちらりと確かめるくらいで、一日のほとんどは、その存在を忘れて過ごします。
それでも、ふとした瞬間に指先が触れると、「あ、今日の私はこれを選んだんだ」と思い出せる。
誰かに見せるためではなく、自分だけが知っている小さな約束のようなものですね。
大ぶりでも、控えめでも構いません。
今日の気分にいちばん寄り添う一粒を、自分のために選んであげる。
それだけで、背筋がやさしく伸びていくような心地がします。